伊坂幸太郎さんの本① オーデュボンの祈り
私は伊坂幸太郎さんの本が好きでよく読みます。
伊坂幸太郎さんの本には、様々な伏線が散りばめられており、読後にもう一度読み返してみたくなったりします。
これまで読んだ伊坂幸太郎さんの本を紹介していきたいと思います。
まず最初にご紹介したいのはデビュー作である
オーデュボンの祈り
です。
あらすじ
主人公はコンビニ強盗に失敗し、警察に捕まるのですが、気づくと見知らぬ部屋にいます。
そこは、江戸時代以来外界との関わりがない誰も知らない島だったのです。
そこには、喋るカカシの優午(ゆうご)が、ごく普通の存在として扱われているのです。
さらに、そのカカシは未来が見え、島の人から信頼されているのです。
しかし、その未来が見えるはずのカカシが、何者かによってバラバラにされて殺されてしまいます。
いったいなぜ、未来が見えるカカシは殺されてしまうのか、カカシは自分の未来が見えなかったのか?
主人公は島の人と関わりながらこの謎に迫っていきます。
感想
この本は、伊坂幸太郎さんのデビュー作になるのですが、
- カカシがしゃべる
- そのカカシが未来を見通せる
- 現代の日本から忘れ去られている島
等の、普通ではありえない設定になっています。
しかし、ここが伊坂幸太郎さんのすごいところで
読み進めていくと、ありえない設定もごく自然に受け入れられ どんどん話に引き込まれて行きます。
普段あまり本を読まない方でも、ふしぎな世界観からどんどん読み進めてしまうのではないかなとおもいます。
読み終わったあとにも
もう一度読んで、確認したい
と思ってしまう本でした。
また、結末の解釈の仕方も人によっては違うのではないかなと思いました。
この本を読んだことのある人と話をすると
また違った解釈なども聞けておもしろいのではないかと感じました。
ネタバレ
私的には、読み終わったあとに
- 本当に優午は死んだのか?
という疑問が残りました。
というのも
- 園山の奥さんに謝りたいと思っていた節がある(死んでいては謝れない)
- 島に欠けていたものをどうしても知りたい
(100年以上前からこの時を待ち望んでいた)
- 優午の頭を丘に運んでもらっている
(音楽を聞きたい、もしくは理解したかったから)
これらの点から、
優午は最後のリョコウバトのつがいを守るために自らは死んだように見せかけた。
優午が死んだと分かれば、優午が死ぬ前にお願いしていた事を確実に行わなければと、それぞれの人に思わせることができる。
今まで未来が見えていたけど、結果は変えられないと諦めていたことを後悔し、頭だけの形となり園山とその奥さんに謝りに行った。
その後、島に欠けていたものをどうしても聞きたかったので、頭を丘まで運んでもらってその時を待った。
優午は頭だけになることで島の人達からは死んだと思われ、未来のことについて聞かれなくなることを望んでいた。
優午は、鳥だけが友人と言っていたので人間と話せなくなっても構わないと思っていた。
と考えました。
ただ単にわたしが、優午が生きていたらいいなぁと心のなかで思っているからこのように考えてしまっているかもしれません。
あと、城山が最後撃たれて
桜 よくやった!
と思いました。
最後に
私的には、すごく面白い本でした。
機会があれば読んで見られてはいかがでしょう。